子どもの代表的な皮膚疾患

1.あせも(汗疹)

原因と症状

高温多湿の環境で汗をたくさんかいた時、汗の出る穴(汗管)がほこりや汗の成分、汚れなどで詰まってしまい、汗がうまく表面に出なくなることで起こるトラブルです。発熱した時に起こることもあります。夏に多いのですが、子どもは汗かきなので冬の暖かい室内でも起こります。衣服がこすれやすかったり、汗をかきやすい首のまわりやわきの下、背中、おむつ部分、膝のうらなどに赤い丘疹ができます。ひどくなると赤く広がってかゆみを伴うようになります。

治療とホームケア

軽症ならば、たいていはなるべく発汗を防ぐスキンケアで改善します。風通しのよい涼しい環境(室温23℃前後、湿度55%前後)が理想です。汗をたくさんかいたらハンカチやウェットティッシュでそっと抑えるように拭いて、着替えもこまめにします。入浴、シャワーはまめに行うことも効果的ですが、必ずしもそのたびに石鹸を使う必要はありません。1日1回、石鹸をよく泡立ててやさしく手で洗います。石鹸分が残るとかえってあせもを悪化させるので、すすぎはていねいに。衣服は吸湿性と通気性のよいものを選びましょう。それでも改善しない時やかゆみの強い時は、炎症を抑える軟膏やステロイド軟膏で治療します。

2.おむつかぶれ

原因と症状

皮膚はおむつでむれると抵抗力が弱くなります。そこに尿や便の成分による刺激が加わって炎症を起こします。おむつのあたっている部分のみが赤くなり、ひどくなると表面がむけたようにただれてきます。

治療とホームケア

予防はおむつを頻繁に交換することが第一です。できれば排便の後、ぬるま湯でおしりをやさしく洗うのがよいのですが、これができないときはおしり拭きや濡らしたコットンでやさしく拭きます。そのあと乾燥させることも大切です。さらに保護のためのクリームをぬると予防になります。皮膚科での治療は抗炎症効果のある軟膏やステロイド軟膏で治療します。
また、おむつかぶれにカンジダ皮膚炎が出てくることもありますので、おむつかぶれの治療を始めても途中から悪化する場合は受診が必要です。

3.カンジダ皮膚炎

原因と症状

真菌と呼ばれるカンジダ菌が原因でおこる皮膚炎です。おしり、わきの下、股のしわの間が赤くなり、少し皮がむけたようになります。
まわりに赤い丘疹やニキビのような膿を持った赤い丘疹を伴うこともあります。おむつかぶれに合併してよく見られます。抗生物質を内服しているときや体調を崩して抵抗力が落ちている時にも出やすくなります。

治療とホームケア

抗真菌剤の塗り薬で治療します。カンジダ菌は乾燥にとても弱い菌なので、体を洗ったり便などを拭いたりした後にしわの間も忘れずに確実に拭いて乾燥させると早く治り、再発を防ぐことができます。

4.とびひ

原因と症状

正式な名称は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といい、子どもの代表的な皮膚細菌感染症(黄色ブドウ球菌)で特に夏によく見られます。症状は虫刺されや湿疹、傷をかきこわした場所にびらんや水疱ができます。手を介してあちこちに同じ症状が広がっていきます。

治療とホームケア

かなり軽症の時は抗生物質入りの軟膏で治りますが、たいていは抗生物質の内服を行わないとどんどん広がってしまいます。患部は直接触らないようにします。お風呂や石鹸を使うのは大丈夫です。兄弟と一緒にお風呂に入ったり、プールは避けます。子ども同士で移りやすいので、なるべく他の子どもたちと接触しないようにします。

5.水いぼ

原因と症状

伝染性軟属腫というのが正式名称で、伝染性軟属腫ウィルスというウィルス感染により起こります。1―5mmまでのつやつやと柔らかくて丸く、中央におへそのような凹みのあるいぼです。いぼの中にはおからのようなウィルスと皮膚の成分が入っています。手のひらと足の裏以外のどこにでもできますが、特にわきの下や陰部など体の柔らかい所によくできます。かきこわすと別の皮膚に移っていきます。

治療とホームケア

水いぼは体に免疫力ができると自然にできなくなりますが、そうなるのに何年もかかることがあります。免疫力ができるのを待っている間に広がってしまうお子さんもいます。処置したくない場合でも、様子を見ていてどんどん増えてくる場合は受診して治療した方がよいでしょう。治療しても抵抗力ができていない場合は再感染することもありますが、数の少ない早めのうちに治療した方が処置は短時間で済みます。また、かゆみの強い皮膚炎を伴ったり、掻きこわしてとびひになる場合にも治療をおすすめします。
治療は水いぼの芯をピンセットでつまんで取り出す処置をします。この処置は痛いので、痛み止めのテープを2時間くらい患部に貼ってから行います。処置したあとは当日から入浴できますが、プールは2~3日控えた方がよいでしょう。処置したくない場合や数があまりにも多い場合は、ヨクイニン(ハトムギ種子抽出物)という漢方薬を飲んで様子を見るという治療もあります。プールの後などは、上がり湯やシャワー、石けん洗いをしっかりすること、タオルの共有を避けるなどに気をつけます。皮膚の湿疹部分や荒れた部分があると移りやすいので、きちんと治しておきましょう。

6.いぼ

原因と症状

ヒト乳頭腫ウィルスというウィルスの感染症で「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」というのが正式名称です。子どもの手足に特に多く見られますが、時に顔や腕、下肢にもできます。硬くてポツポツと赤い点状出血を伴い、1個から多数のものまで様々です。足の裏のイボは時々うおのめに間違われ、削っても治らないと言って受診されるケースが多くあります。

治療とホームケア

患部をいじると自分の皮膚から皮膚に感染していきますので、自分であまり触らないようにします。プールなどから帰ったら手足を石鹸でよく洗うと感染を予防できます。治療は液体窒素という冷たい液体で冷凍凝固して、かさぶたにして少しづつ小さくしていくのが一般的です。多発する場合はヨクイニンという漢方薬を内服することもあります。

7.虫刺され

戸外での虫刺され

原因と症状

虫さされは夏に特に多く、蚊、ブユ(ブヨ、ブト)などによるものが一般的ですが、最近は室温の高い冬の建物内や乗り物内での虫さされもあります。子どもは大人と違って虫に刺されたあとの反応が早く、強く出やすいので、刺された部分が赤く腫れたあと水ぶくれになったりします。また、刺された部分から細菌感染を起こして刺し口が化膿することもあります。痒みが強いと掻きこわして、とびひを生じることもあるので要注意です。また、ごくまれに、蚊にさされたあと刺し口が悪化したうえ、発熱、リンパ腺のはれを起こすことがあり、そのときはEBウィルス感染症の合併を調べる必要があります。

治療とホームケア

治療はステロイド外用です。細菌感染が合併する場合は抗生物質の内服が必要になります。治療中の入浴は大丈夫ですが、症状によってはプールなど控えた方がよいことがありますので医師の指示に従いましょう。また、虫さされは予防が大切です。緑のある戸外に出かける時は、虫よけスプレーを服から出ている肌に使用します。その時、顔や目にスプレーがかからないように使用量を守って注意して吹きかけましょう。虫除けパッチなどを利用する手段もあります。

室内での虫さされ

原因と症状

高温多湿の夏はじゅうたん、畳、ソファなどにツメダニが異常繁殖することがあります。また一軒屋では、ネズミが屋根裏にいる場合イエダニが繁殖していることがあり、ネズミが死ぬとヒトを襲うようになります。これらのダニに刺されると、わきの下、腕やももの内側、ウエスト周りなどの体のやわらかい部分に集中してかゆい赤いポツポツ(丘疹)がぱらぱらとできます。他の家族も同じような症状を伴うことがよくあります。

治療とホームケア

ステロイド軟膏と、たくさんできてかゆみの強い時は抗アレルギー剤内服を併用することもあります。ダニの駆除が最も大切です。また、お昼寝の時などは直接畳の上やソファに寝かせないようにします。ふとんもこまめに干したあと、掃除機をかけてダニがはいり込まないようにしましょう。一軒家ではネズミ退治をしっかり行いましょう。

8.汗疱(かんぼう)/異汗性湿疹

原因と症状

表皮内汗管と呼ばれる皮膚表面の汗の出るトンネルに汗が貯留してできます。手のひら、指、足の裏に小さい水ぶくれが急にぽつぽつとできたり、うすく皮がめくれるようになります。表皮内汗管に汗が貯留して表皮内に小さい水疱ができます。一見水虫のように見えることもあります。ひどくなると指先のめくれた皮膚が薄く敏感になって、かゆみやものをさわったりすると痛みを伴うこともあります。

治療とホームケア

治療は尿素含有クリームや、ひどい場合は抗炎症性の軟膏やステロイド軟膏を使用します。予防法は高温多湿を極力避けることです。長時間の入浴やプールで悪化することもありますので、短時間の入浴やシャワーにしましょう。手は低刺激性の石鹸で刺激を与えないようにし、長時間湿ったままにしないように乾燥させます。足のケアは通気と乾燥を心がけます。サンダルなどむれにくい履物にし、靴下は汗を吸い取ってくれるのではくようにし、汗でぬれたらこまめにとりかえます。

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