院長メッセージ

メッセージ

MESSAGE

妊娠から出産、産後ケアまで
総合病院ならではの医療を提供

山王病院 病院長藤井 知行

section 01

不育症に興味を持ち、研究に没頭

私は昔習慣流産と呼ばれていた、不育症という分野を専門にしています。
東京大学で勤務していた時に「習慣流産に対する夫リンパ球免疫療法」という治療法を知り、当時非常に面白いと感じました。今では、ほとんど実施されていませんが、原因不明の流産を繰り返してしまう方に、夫のリンパ球(白血球)を輸血すると、流産の確率が下がるという治療法です。

なぜ流産するのかという問題の前提として、なぜ妊娠するのかという根本があります。赤ちゃんは半分お父さんですので、お母さんからすれば半分他人ですが、その他人の赤ちゃんが子宮の中にくっついて育つということは、これは「移植」なのです。
移植しているのにも関わらず、本来拒絶されるはずの反応がされないのです。それは妊娠免疫と言われる特別な免疫があるからで、ここに興味を持つようになりました。その後も研究を続けて、昭和60年から当時の習慣流産外来、現在の不育症外来を東大病院に開きました。

section 02

産婦人科系、全てに対応可能な診療部門

当院はもともとお産で有名で伝統もあり、産婦人科は看板診療科だと思っています。
お産を主に支える産科・婦人科、不妊治療と良性疾患の腹腔鏡手術を主に行うリプロダクション・婦人科内視鏡治療センター、それから悪性腫瘍の治療を行う女性腫瘍治療・婦人科の3つの部門で成り立っています。
この3部門はそれぞれに歴史があり、以前は独立した診療科だったのですが、一つの診療科に統合することで産婦人科関連、全ての分野を連携して診ることが出来ます。
そこで現在の「女性医療センター」を作って、3つに分かれていた診療科をそれぞれの部門という形で再編しました。3つの部門で協力して、どの分野にも対応できるようになり、以前と比べて一つの診療部門として幅広い対応ができるようになっています。

section 03

安全で良質は当たり前。満足度も高いお産をモットーに

当院は総合病院ですので、合併症のある患者さんにも対応できるというのは強みです。他の診療科も、方々の大学の教授を経験したような医師がおり、抜群の信頼とスピード感を持って連携を取ることが出来ます。
また当院にはNICUがありますが、2022年度からは、あらたに医師が着任し、さらに充実した体制となりますので、難産や合併症の赤ちゃんにもこれまで以上にきめ細やかな対応が可能となります。

他にも当院のお産の特徴として、ホスピタリティーを重視しているという点があります。
我が国の従来のお産というのは管理型産科医療で、母体と赤ちゃんの安全がとにかく最優先でした。当院では、もちろん、安全という面を十分に確保しています。それに加えて、安心してお産ができ、お産の満足度を高めるような医療を提供するということに目を向け、助産師さんなどと協働して支援型産科医療を行っています。
そういった意味で、日本ではまだ多くないですが、無痛分娩にも力を入れています。
無痛分娩はどうしてもリスクがありますが、麻酔科の全面的な協力をいただいて24時間対応で無痛分娩を行っています。学会で定められた基準に従い、麻酔科の先生が、きちんと対応していますので安全に無痛分娩ができます。
当院では、お産をされるほとんどの方が無痛分娩を希望されていて、都内でお産される方の無痛分娩のニーズが非常に高いということがよくわかります。

section 04

妊婦さんの負担を軽減するセミオープン制度

当院に来院される患者さんは、20代から40代の方まで満遍なくいらっしゃいます。30代に入ってくると一般的に不妊治療のケースが多くなりますが、当院のリプロダクション・婦人科内視鏡治療センターは非常に優秀で、妊娠して産科の方に移ってお産をされているという方もたくさんいらっしゃいます。また他の不妊クリニックで妊娠をして、当院に移って来られる方もいらっしゃいます。
昨年からはセミオープン制度というのをはじめています。妊娠初期に一度当院に来ていただいて、妊婦健診は地元のクリニックで行ってもらい、お産が近くになったらまた当院に戻ってきてもらう、という制度です。
地元のクリニックであれば、通院の負担が少なく、また、健診を待たなくて済むことが多いと思いますので、妊婦さんの負担を減らせる仕組みです。

また、出生前検査に関しても当院は学会で公的に認証されている施設です。遺伝専門医もおりますので、ご希望があれば検査を受けていただけます。

section 05

患者さん主体のサービスとホスピタリティを重視

当院では専門外来や妊娠中・産後のサービスについても力を入れています。
産後のお母さんには母乳やおっぱいのお悩みが多いですが、母乳外来がありますのでそちらできちんと対応しています。また、妊娠中や産後では、お母さんのメンタルも不安定になりますが、妊娠に特化したカウンセリング外来で丁寧に対応しています。産後のプレッシャーなどのお悩みに、カウンセリングできちんと対応している点も特徴です。
妊娠中の腰痛については、マタニティリハビリを行っています。他の病院では腰が痛いというと湿布を渡されるだけ、ということをよく聞きますが、当院では産科リハビリに特化した理学療法士さんが、妊婦さんの腰痛、股関節痛、恥骨が痛いなどのお悩みに対して、熱心に診療しています。歩き方や姿勢などをきちんと指導してくれますので、妊婦さんに非常に好評なサービスです。

section 06

安心・安全で満足。当院の一流の助産ケア

当院ではお産の際、妊婦さん一人に対して助産師さん一人がそれぞれ担当となり、きめ細かいケアをしています。
我が国の従来のお産は管理型産科医療であったと言いましたが、当院で目指しているのは安心で安全なお産であり、支援型産科医療です。当院の助産師さんは患者さんの産む力を引き出してくれるとともに、患者さんの満足感に繋がるよう、ホスピタリティの面でもサポートしてくれます。 特に問題が起こらない限り、お産については助産師さんがきちんと対応をしています。もちろん無痛分娩ですので医師の処置が必要な部分もありますが、正常に進む限りはできるだけ自然に産めるよう、基本的に助産師さんが全てサポートしています。助産ケアについて当院は非常に優秀だと自負しています。

当院でお産を経験された皆さんからも、「この病院でお産してよかった」と満足のお声をいただいています。安心で安全な設備で満足のお産ができますので、ぜひ当院の良さを知っていただけたら幸いです。

動画 : Web版さんのう健康講座「すこやかマタニティ」

プロフィール

PROFILE

藤井 知行Tomoyuki Fujii

山王病院 病院長 女性医療センター長 国際医療福祉大学グループ産婦人科統括教授 国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 大学院教授

東京大学医学部附属病院で、主に周産期医療に従事してきた。安心・安全な妊娠・分娩遂行が信条で、年間1,000件以上の分娩を扱う総合周産期母子医療センター長として、ハイリスクを含む多くの妊娠・分娩管理にかかわった。また、30年以上にわたって不育症治療を専門とし、その分野の日本のリーダーとして、治療指針の作成も行っている。2015年から4年間、日本産科婦人科学会の理事長を務め、日本全体の産婦人科医療の指揮をとった。

専門分野

産婦人科(周産期医学、生殖免疫学)

経歴

  • 東京大学卒、医学博士
  • 前東京大学医学部産婦人科学教室主任教授(兼任)東京大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター長
  • 米国シアトル市フレッドハッチンソン癌研究所ヒト免疫遺伝学部門留学
  • 公益社団法人日本産科婦人科学会元理事長
  • 日本学術会議第二部会員

専門医等

  • 日本産科婦人科学会認定指導医・産婦人科専門医
  • 日本周産期・新生児医学会認定指導医・周産期(母体・胎児)専門医
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
  • 外国医師等臨床修練指導医
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