ダビンチのご紹介

前立腺がんは増加の一途をたどっており、最近のがん統計予測によると男性のがん部位別罹患数で前立腺がんが最多となると予測されています。前立腺がんは、早期発見すれば根治できる可能性が高くなります。健診・人間ドック等でPSA(腫瘍マーカー)検査を受け、数値が高いようであれば早めにご受診ください。山王病院では、日本で初めて前立腺がんに対するロボット手術がはじめられた施設で、ダビンチ手術に携わってきた豊富な経験を有する専門資格を持った医師が、患者さまお一人おひとりの症状や生活に合わせた治療方法をご提案し、医療・アメニティともに充実した環境で、診断・手術からその後の経過観察まできめ細やかに対応いたします。

手術支援ロボット「ダビンチ」とは?

当院に導入された「ダビンチSi」は、旧機種の「ダビンチS」をさらに進化させたもので、(1)3次元画像処理機能の改良(3D-HD visionおよび10倍ズーム機能)により、今まで確認が困難であった術野の細い血管や神経を鮮明に捉えることが可能となり、手術の安全性および確実性が向上しています、(2)コンソールのエルゴノミクス設定の強化にともない手ぶれや誤作動防止機能が向上し、剥離や縫合などの繊細な操作が可能となり操作性および作業精度・安全性が向上しています。

(1)高解像度3D画像
(1)高解像度3D画像
(2)エルゴノミクス設定
(2)エルゴノミクス設定

ダビンチの仕組み

手術支援ロボット「ダビンチ」は、大きくわけて3つのユニットで構成されます。

ペイシェントカート(Patient Cart:ロボット部)

医師の手の動きを正確かつ繊細に再現して、手術を行うのがペイシェントカートです。
ペイシェントカートの鉗子には人間のように関節があり、従来の腹腔鏡手術では不可能だった人間の手のような動き(手首や指などの複数の関節の連動)が可能です。
手術操作は医師が行い、ロボットはその動きを繊細に正確に再現するよう支援します。

ペイシェントカート
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ダビンチの画像
※2
  • 1 当院の「ダビンチ」のペイシェントカートの写真(本体)カメラと3本のロボットアームで構成されています。
  • 2 当院の「ダビンチ」のペイシェントカートです(手術中の風景)。

サージョンコンソール(Surgeon Console:操作部)

医師がペイシェントカートの鉗子を操作する操縦台です。
手術野を10倍まで拡大することが可能な高解像度3次元立体画像を見ながら、両手で「ダビンチ」を操作します。
画像が3次元化されたことで従来の腹腔鏡下手術と違い、奥行きを読み取って鉗子を動かすことができるようになりました。
またズーム機能により、今まで確認が困難だった微細な血管や神経が確認できるようになり、より正確かつ安全に手術を行うことが可能になりました。

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※3「ダビンチ」のサージョンコンソールの写真(本体)
※3 「ダビンチ」のサージョンコンソールの写真(本体)

ヴィジョンカート(Vision Cart:モニター部)

「ダビンチ」を操作する医師以外のスタッフは、このヴィジョンカートのモニターを見ながら手術をサポートします。
患者様の治療に使用される鉗子やカメラなどの状態は、ダビンチのスタッフが把握して術者に伝えます。
術者はケーブルでつながった操作台に座り、中に映し出されるハイビジョン3次元立体画像を見ながら3本のアームを操り、手術(患部の剥離、切除、縫合など)を行います。

ロボット手術によるメリット

ダビンチを使った手術は従来の開腹手術と比べて出血を含めた手術中の合併症が少なく、尿失禁や性機能などの手術後の機能温存にも優れ、 傷口が小さいことから痛みが軽減され、入院期間も短縮されます。
ダビンチを使った手術は従来の開腹手術の欠点を補い、安全性、低侵襲性および機能温存性に優れるまさに最先端の医療です。

患者さまの身体への負担が少なく早期の社会復帰が可能

通常の腹腔鏡手術と同様に傷口が小さく、また手術後の痛みも少ないことから、回復が早く入院期間も短縮され、早期の社会復帰が可能です。

開腹手術より安全で低侵襲

ダビンチを使った手術を従来の開腹手術と比較すると、ダビンチを使った手術は開腹手術に比べて手術時間はほぼ同等、合併症は少ない傾向を認めるものの大きな差はなし、出血量は明らかに少ない、などの点から、低侵襲性についてはダビンチを使った手術が優れていると考えられています。

開腹手術より機能温存性(尿失禁の回復、男性機能の温存)に優れている

ダビンチを使った手術と従来の開腹手術や腹腔鏡手術との大きな違い

  • 10倍の拡大視野で、なおかつ3Dハイビジョンの立体画像で見るので、従来の手術で確認の難しかった細い血管や神経など、術野の細部が良く見えること
  • 繊細でブレの無いロボットの手を使うことで、人では行うことができないような、さらに繊細な手術操作も可能になったこと

これらのことにより、微細な血管や神経を傷つけずに温存することができるようになりました。従来の前立腺手術後の課題であった、術後の尿失禁と性機能については、ダビンチを使った手術ではいずれも明らかに術後早期に回復し、有意に優れていることが証明されています。

前立腺手術

前立腺は骨盤深くにある臓器で、前立腺全摘除術は泌尿器科領域の手術では最も難しい手術のひとつにあげられます。
ダビンチを使用することで、その操作が安全で容易になりました。

手術費用

前立腺および骨盤内解剖図
前立腺および骨盤内解剖図

ダビンチを用いた前立腺がんの手術は保険診療で行われています。

前立腺は、骨盤の一番奥に存在しています。骨盤が狭い患者様の手術は、従来の開腹手術では大変な困難を伴いました。前立腺全摘術は、前立腺と精嚢という精液をためる袋を一緒に摘出し、膀胱と尿道を縫い合わせる操作を、その深い骨盤の中で行わなければなりません。

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