脳脊髄液減少症・正常圧水頭症

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脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症や正常圧水頭症などの髄液循環障害を専門に診療しています。脳脊髄液減少症は、事故などにより髄液がもれることで、頭痛・頸部痛・めまい・倦怠感などの症状が出ます。正常圧水頭症は、髄液がたまることで、認知症や歩行困難などになります。当科では、脳脊髄液減少症にはブラッ ドパッチ治療、正常圧水頭症には髄液シャント術を行っています。

脳脊髄液減少症の特徴は、起きあがると激しい頭痛となり、横になると頭痛が軽快する「起立性頭痛」です。教科書的には「起きて15分以内に悪化する」とされていますが、午後になると頭痛が始まったり、夕方近くになると頭痛が強くなる、といった不明瞭な「起立性頭痛」もあります。また、絶え間なく頭痛を訴えることもまれではありません。頭痛以外には、頸部痛、倦怠感(易疲労)、めまい、吐き気(悪心)などがあり、多彩な症状のためどこの病院を受診しても診断がつかず、ドクター・ショッピングをくりかえすことにもなります。2002年に当院の関連病院である国際医療福祉大学熱海病院の篠永正道教授が、「交通事故による鞭打ち症の後に、頭痛、めまい等がいつまでも治らない症例に、髄液漏れ(脳脊髄液減少症)が原因となっていることがあり、ブラッドパッチ(本人の静脈からの血液を20-40ml、脊髄硬膜の周囲に注入し、血糊のようにして漏れをふさぐ約20分の手術)で症状が劇的に改善することがある」と報告して以来、社会的にも大きな注目を浴びています。

当科は東京で最初に治療を始めた病院です。現在(2023.7)3,500例を超える国内トップクラスの豊富な治療経験があります。ブラッドパッチ治療は平成28年4月1日より、保険適用となりました。(ただし、脳脊髄液減少症のうち、関連学会の定めた診断基準において脳脊髄液漏出症が確実または確定と診断された症例に限ります)

それから、交通事故の場合、損保会社はこの病気への治療費を支払わないことがあり、事前に充分話し合うことも大切です。現在でも脳脊髄液減少症を治療する病院や医師が少ないという問題点があり、典型的な症例でないと「脳脊髄液減少症」と断定されません。また、治療をしている病院の中でさえブラッドパッチを腰椎部に2回までしか行わないところもあり、本来なら症状が改善できる症例が放置されてしまうことがあります。交通事故や何らかの外傷で仕事や生活に支障をきたしている方は、まずこの病気を疑ってみてください。そしてMRIやCT検査だけでなく、確定診断としてRI脳槽シンチグラフィーやCTミエログラフィーまで受けることが大切です。

正常圧水頭症

正常圧水頭症は髄液のたまる病気ですが、1965年にHakimとAdamsが「シャント術という簡単な脳外科手術によって治療が可能な認知症」として発表して以来、ずっと注目されてきています。症状の特徴は、認知症(痴呆)、歩行障害、尿失禁の3つです。
症状の中では歩行障害が最も重要で、歩幅がせまくなり、足が挙がりにくく、両足を拡げた歩行となりがちです。椅子から立ち上がりづらくなったり、方向転換時に歩行の不安定性が増します。認知症の特徴としては、初期の場合は意欲や自発性の低下、集中力の低下など、これまで活動的だった人が外界に対して無関心になり、少しボーっとした感じになります。症状が進むと、見当識障害といって、時・場所・人に関する記憶が失われます。

尿失禁

尿失禁は、尿意をもようした時すぐにトイレに行かないと漏らしてしまう「尿意切迫型」で、しかも歩行障害もあるため、尿失禁にいたることが多くなります。男性の場合は、前立腺肥大と診断されていることもあり、鑑別が難しいことがあります。

手術

手術は、直径約1mmの細いシリコンチューブを皮下に通して、流れが滞った髄液を身体の別の部位(腹腔あるいは心房)へと流す手術です。例えて言えば、常に渋滞している道路に対してバイパス道をつくって車の通行をスムーズにさせてあげるわけです。

診断

診断はCTやMRI検査を行い、正常圧水頭症の特徴とされる、脳室と呼ばれる脳内の髄液のたまっている部分が拡大しているかどうかで判断しますが、脳外科医など専門の医師からも「年齢のために脳が縮んでいるだけ」と片づけられることがあり、診断が難しい場合も少なくありません。より確実な診断のためには、腰の背中側から針を刺す腰椎穿刺によって実際に髄液を30ml排除し、認知症、歩行障害、尿失禁が一時的に軽度改善するか、を検討することが大切です。


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