呼吸器センターの治療

治療面では、投薬や各種の呼吸器外科手術はもちろんのこと、患者様お一人おひとりの状態を十分に考慮した、きめ細やかな治療を心がけております。患者様の負担の少ない最小の手術創から治療を行い、術後疼痛の軽減と入院期間の短縮が可能な胸腔鏡下手術も積極的に導入しております。
胸腔鏡下手術は、胸部の約2cmの小さな創から、直径1cmほどのカメラを挿入し、胸腔内の状態をモニターで観察しながら行う手術です。他の創から器具を挿入し、肺の病変部を含む部分切除や肺葉切除を行います。手術の傷が少ないために術後の痛みが少なく、また回復も早いため入院日数も短くてすむ(平均在院日数:肺がん6.3日、がん以外4.2日)など、多くの利点があります。 センターでは、その他にも誤嚥性肺炎やCOPDの入院治療、在宅酸素療法、呼吸器リハビリテーションなどにも力を注いでおります。

肺がんの診断・治療

気管支鏡検査・経気管支肺生検

各種の気管支・肺病変の確定診断には必要不可欠の検査法です。気管支鏡(内視鏡)で気管支腔内を観察し、可視範囲にある病変部位から組織や細胞を採取したり、少量の生理食塩水で気管支や肺の中を洗浄して細胞学的あるいは細菌学的検査を行います。更に気管支や肺の末梢病変の確定診断を行うためには、X線透視装置、CT装置を利用し、気管支鏡と生検器具を用いて病変部位から検体を採取します。組織片の採取(TBLB)と細胞の採取(TV-brushing等)の両方に対応可能です。

喀痰細胞診検査

各種の細胞診検査の中でも、患者様の負担がほとんどなく、簡便に行える検査法です。喀痰中の肺がん細胞の有無を細胞診で判定し、特にレントゲン写真ではほとんど発見できない太い気管支に発生する肺がんの早期発見には不可欠の検査法です。早期で発見されたがんはレーザー治療(光線力学的治療)で根治が望めます。

経皮的穿刺針生検(IVF-ET)

肺の末梢に生じた小型病巣に対して経気管支肺生検での検体採取が困難な場合、経皮的に局所麻酔下に肋骨の間から細い針を穿刺して検体を採取する方法です。通常はX線透視下で行いますが、更にCTガイド下で実施すると、1cm以下の微小な癌病巣の確定診断も可能となります。

胸腔鏡下の検査および手術(Video-assisted thoracoscopic surgery,VATS)

胸部の約2cmの小さな創から、直径10ミリほどのカメラを挿入し、胸腔内の状態をモニタ-で観察しながら行う手術です。他の創から器具を挿入し、肺の病変部を含む部分切除や、適応に応じて、肺葉切除を行います。手術の傷が小さいために術後の痛みが少なく、また回復も早いため入院日数も短くてすむ(平均在院日数:肺がん6.5日、がん以外4.2日)など、数多くの利点があります。

呼吸器内科の診療内容

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)とは、肺気腫、または慢性気管支炎両者の合併により閉塞性の換気障害を特徴とする病気で、通常ゆっくりと進行します。虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)、脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)に次いで死亡原因の第3位になる勢いで、日本では530万人以上いるといわれていますが、今のところ23万人の方しか治療を受けていないようです。日本人ではほとんどがタバコの影響です。禁煙した後、20~30年後に症状が出る場合もあります。慢性の咳、痰がある方、階段や坂道での息切れ、動悸、風邪をひきやすい、などを訴える方は要注意です。“ただの風邪(!?)”と、そのままご自身で治してしまい、放っておかれている方は要注意(!!)、COPDの可能性があります。胸のレントゲン・CT検査、肺機能検査を行いましょう。“肺気腫は治らない”と言われていた時代と違い、今は吸入薬、貼り薬、飲み薬にも良い薬があります。呼吸法や運動療法、栄養療法などを含むリハビリテーションもあります。また風邪症状から始まる肺炎高齢者に多い肺炎(誤嚥性)肺結核、その他肺がんなども、診断をつけるためにはこれら検査を早急に行う必要があります。

気管支喘息は発作性に呼吸困難感をきたすものです。こちらも現在は効果が期待される吸入薬が開発されています。
禁煙にご興味のある方はぜひ“肺年齢”測定をお勧めします(特にCOPDを疑われている方はお早めに検査して下さい)。ご自分の肺の力がどの程度なのか客観的に分かります。禁煙の動機づけにはふさわしいと思われます。また様々な肺のお薬の効果を判断する上でも“肺年齢”を持続して測定すると意義があります。検査をご希望の方は、遠慮なく呼吸器センターをご受診下さい。

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