ナノナイフ治療の適応

膵がんのナノナイフ治療の適応は、遠隔転移や腹膜播種の無い「切除不能の局所進行膵がん」です。手術で切除(取り除くこと)はできないが、膵臓の中とその周りにとどまっている膵がん(局所進行膵がん)がナノナイフの適応になります。日本のステージ分類でいう、ステージⅢ(膵癌取扱い規約第7版による)が治療の対象です。
肝臓や肺などの、膵臓以外の臓器や、膵臓から離れた場所のリンパ節に転移がある場合がステージⅣ(膵癌取扱い規約第7版による)です。ステージⅣの膵がんに対して、膵がんにナノナイフを行っても、転移したがんには効果が無いので、よい適応ではありません。しかしこれらの転移病巣が小さく、膵臓のがんを治療することによって、元気で長く生きられることが予想される場合には、ナノナイフの適応になることがあります。

1)「切除不能」とは?

血管への浸潤があると切除不能となります。
膵臓は、太い動脈や門脈(静脈)がその近くにあります。門脈は腸から吸収された栄養を肝臓に運ぶ重要な静脈ですが、膵臓の裏側を走り肝臓に向かいます。
動脈としては腹腔動脈(ふっくうどうみゃく)とその枝である肝動脈と脾動脈が膵臓の上(頭側)に接しています。また、上腸間膜動脈(じょうちょうかんまくどうみゃく)が下(足側)にあります。
門脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈にがんが浸潤する(絡み付く)と、手術でがんを取り除くことができなくなります。無理にがんを血管からはがして取っても、癌細胞が血管の壁に残り手術後そこから再発します。また、手術中の出血が大量となるため危険度も高くなります。

2)腹膜播種(ふくまくはしゅ)

膵臓の前(腹側)は腹膜という薄い膜によって覆われています。がんがこの腹膜に浸潤すると、腹腔内(お腹全体)に拡がります。この状態が腹膜播種と呼ばれ、膵臓のがんを取り除いても、おなかの中(腹腔)に水が溜る、癌性腹膜炎となって再発するので、腹膜播種があると切除不能となります。

3)遠隔転移(えんかくてんい)

膵臓とは離れた場所の、肺や肝臓、リンパ節に転移すると、膵臓のがんを取り除いても、身体に負担がかかるだけで、寿命が延びることがないため、外科切除の対象になりません。

4)「局所進行膵がん」とは?

膵臓にできて、膵臓の外に出たがんが進行膵がんと呼ばれます。進行膵がんでも遠くに転移せず、膵臓の周りに限局した膵がんを局所進行膵がんと呼びます。
ナノナイフは電極針で取り囲んだ範囲の癌細胞を殺傷するので、膵臓に限局した局所進行膵がんが治療の対象となるわけです。 日本の膵がんのステージの決まりでは、遠隔えんかく転移てんいの無い「切除不能局所進行膵がん」は「ステージⅢ(膵癌取扱い規約第7版による)」の膵がんと呼ばれます。転移がある場合が「ステージⅣ(膵癌取扱い規約第7版による)」です。

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