港区でおたふくかぜワクチン接種費用の助成が始まります
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)は2~3週間の潜伏期を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺(特に耳の下の耳下腺ですが、他にも頬の後ろや顎の下にも唾液腺はあります。)の腫れ・痛みや発熱を特徴とするウイルス感染症です。軽い病気と思われがちですが、様々な合併症を伴うことがあり、髄膜炎や脳炎・脳症、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎が起きることがあります。(髄膜炎:1人/10~100人、難聴:1人/1000人)特に、日本耳鼻咽喉科学会の調査では2015~2016年に少なくとも348人が難聴となり、両側難聴16例を含む300人近くに後遺症が残ったと報告されています。
おたふくかぜ及びその合併症の治療は基本的に対症療法であり、効果的に予防するには予防接種が有用です。有効性について、予防接種後の抗体価(免疫)を調べた報告では約90%で有効なレベルの抗体価であるとの結果でした。
計2回の接種が推奨されており、日本小児科学会では1回目:1歳を過ぎたら早期に、2回目:小学校入学前の1年間に接種することを推奨しています。
予防接種の副反応として、接種後2週間前後で数%の方に耳下腺をはじめとした唾液腺が腫れることがあります。また接種後3週間前後で予防接種が原因の無菌性髄膜炎が1人/4万人の確率で発生するとされていますが、実際におたふくかぜに罹患した場合に比べて頻度は低く程度は軽い傾向にあります。
令和7年7月1日接種分より、下記に示す対象の方では接種1回あたり7000円の助成を受けることができます。助成は未接種分が対象で、最大2回となります。
なお、接種当日に港区おたふくかぜワクチン任意接種予診票が必要です。接種当日に持参されない場合は助成を受けることはできません。後日還付はありません。
令和7年4月1日以降に、1歳になるお子様と小学校入学前1年間(年長児)に該当するお子様には港区より個別に順次配送されます。
令和7年3月31日以前に1歳になっていたお子様から現在年中児にあたるお子様は、ご家族から保健所へ予診票の発行を依頼して頂く必要があります。
令和7年6月中旬以降に依頼が可能となる予定ですので、詳細はみなと保健所へお問い合わせ頂くか、港区ホームページをご参照ください。
助成対象になる方は下記すべてに該当する方です
- 接種日において港区に住民登録がある方
- 接種日において1歳から小学校就学前(年長児に該当します)までの方
- ワクチン接種が2回完了していない方
なお、既に1回目を接種している方で上記に該当する方は、今回の制度を利用して2回目の接種で助成を受けることができます。
2回以上の接種歴がある方とおたふく風邪に罹患したことのある方は対象ではありません。
ご不明点は小児科外来でご相談頂くか、小児科予約センターへお問い合わせ下さい。