インフルエンザワクチン接種が始まっています
~お子様が接種できるインフルエンザワクチンの種類が増えました~
インフルエンザワクチンは、インフルエンザに対して約60%の発症予防効果があり1)、乳幼児における重症化を防ぐ効果も報告されています。
厚生労働省は手指衛生や適度な湿度の維持、こまめな換気とともに、ワクチンの接種を推奨しています。日本小児科学会でも発症予防効果やインフルエンザによる入院を減らす効果があることからワクチン接種を推奨しています。
昨年度は早い時期からインフルエンザの流行が始まっていましたが、現在(2024年10月末時点)はA型インフルエンザが散発的に認められているのみです。
不活化インフルエンザワクチンは接種後(13歳未満のお子様は2回目のワクチン接種後)2週間から5か月の間で効果が持続すると考えられています。
現状では流通は安定しており、体調が良好な間に接種を開始されると良いでしょう。
また、日本では6か月以降のお子さんから不活化インフルエンザワクチンの接種が可能ですが、接種すべきか悩んでおられるご家庭も多いと思われます。ご兄弟がいらっしゃるかどうか、保育園等の集団生活を始めているかどうかなど、お子様の状況によってワクチンの有益性は大きく変わりますので、接種の要否にお悩みの場合には当科外来にてお気軽にご相談下さい。
山王病院小児科ではお子様の不活化インフルエンザワクチン接種と同時にご両親の接種も可能です。ご希望される場合にはご予約時にお申し付け下さい。ただし、ご妊娠中の方の接種は行っておりません。
接種料金は下記をご参照ください。
インフルエンザ予防接種開始のお知らせ | お知らせ | 山王病院
港区内にお住いのお子様は、不活化ワクチンについてのみ港区の助成を受けることができますので、港区子どものインフルエンザワクチン任意接種予診票をお持ち下さい。持参されない場合には自費となり、また後日払い戻しはありません。
さて、今年度はインフルエンザワクチンの種類が増えました。新たに認可されたワクチンは経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(以下、経鼻生インフルエンザワクチンと表記します。商品名:フルミスト)です。
本ワクチンは、弱毒化されたウイルス株を、本来インフルエンザウイルスが侵入する鼻腔内に噴霧するため、自然感染時と同様の免疫をつけることができます。また、鼻の中に薬液を噴霧するため、お体に針を刺すことがありません。
効果については、経鼻生インフルエンザワクチンと不活化インフルエンザワクチンの間にインフルエンザ罹患予防効果に対する優劣は証明されていませんが、1回の接種でも鼻腔局所の有効な効果が1年程度続くと考えられているため、年齢によらず1回の来院で接種が完了します。なお、対象は2歳以上19歳未満の方となっています。
一方で、生ワクチンであるため主に1週間以内にインフルエンザ様症状が出現することが分かっています。2歳以上19歳未満の方で接種14日後までの報告として、発熱:5.9%、鼻汁/鼻閉:59.2%等の報告があります。
また、経鼻生インフルエンザワクチンは精製ゼラチンを有するためゼラチンによるアナフィラキシーを経験された方は接種できません。なお、日本小児科学会からは気管支喘息を有する方は不活化インフルエンザワクチンが推奨されています。
山王病院小児科では11月11日より経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの接種を開始します。(予約は11月5日よりお電話またはwebにて開始します。)小児科では2歳から15歳(中学生まで)を対象としております。
ご予約当日に診察室で接種方法等ご説明し、ご家族の同意が得られた場合に接種致します。痛みは伴いませんが、鼻の中に薬筒の先端を入れるため、恐怖で頭を動かしてしまうと確実な薬液噴霧ができません。接種方法を理解でき、動かずに接種できる方であれば安全な接種ができると考えられます。
小児の点鼻インフルエンザワクチン接種開始のお知らせ | お知らせ | 山王病院
本ワクチンは生ワクチンですが注射ではなく経鼻噴霧であるため、ほかのワクチンとの接種間隔に規定はありませんが、当科では他の生ワクチンとの接種間隔は4週以上あけております。また、不活化インフルエンザワクチン(注射)と経鼻生ワクチンの併用に規定はなく問題はないとされておりますので、ご希望の方は小児科外来またはお電話にてご相談下さい。
なお、既にインフルエンザに感染された方については、一度感染した後も同年度に他の種類に感染する可能性があります。不活化インフルエンザワクチンはA型2種類、B型2種類の計4種類の株から、経鼻生インフルエンザワクチンはA型2種類、B型1種類から製造されていますので、一種類に感染した後にワクチンを接種しても別の種類に対してワクチンの効果を期待することができます。
インフルエンザ感染後は、他の有熱性感染症と同様に解熱後1週間あけて、通常どおりの接種間隔でインフルエンザワクチンを接種されることをお勧めします。
■小児科のご予約 03-6894-5050 月~金8:50~11:30、13:00~16:00
■ご予約・診療に関するお問い合わせ 03-6864-0489 月~土8:30~17:30(日・祝・年末年始除く)