小学校へ入学される皆さまへ
今春に小学校入学をひかえる皆さま、おめでとうございます。
日本小児科学会では小学校入学前に接種すべきワクチンとして下記を挙げています。
特に、●のワクチンは小学校入学前の1年間に接種することが推奨されています
ワクチンの種類 | 1回目 | 2回目 | 3日目 | 4回目 | 5回目 |
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ヒブ | □ | □ | □ | □ | |
小児用肺炎球菌 | □ | □ | □ | □ | |
四種混合 | □ | □ | □ | □ | |
三種混合 | ● | ||||
不活化ポリオ | ● | ||||
B型肝炎 | □ | □ | □ | ||
BCG | □ | ||||
日本脳炎 | □ | □ | □ | ||
麻疹風疹混合(MR) | □ | ● | |||
水痘 | □ | □ | |||
おたふくかぜ | □ | ● |
・三種混合と不活化ポリオについては、四種混合で得られた免疫が小学校入学前に低くなることが分かってきたため、四種混合の接種がすべて終わった方であっても小学校入学前にこれら2つを接種することが推奨されています。
四種混合の接種回数は4回までと定められているため、追加免疫として5回目の四種混合を接種することはできません。
・三種混合では、小学生の百日咳に対する免疫の低さが問題となっており、乳児のご兄弟がいらっしゃる場合には特に推奨されます。
・不活化ポリオでは、3年ほど前から米国、英国、イスラエル、インドネシアでポリオ新規発症例が報告されています。多くの先進国では、通算5回の不活化ポリオワクチン接種が定められている一方で、日本では四種混合を3回接種することのみ定められており、学童で発症防御レベル以上の免疫を持たないことが危惧されています。
下記は、日本人小児を対象としたポリオワクチンに関する研究の報告です。四種混合ワクチンを0歳から1歳時に合計4回接種し終えている4~6歳のお子さんで、不活化ポリオワクチンを1回追加した後の抗体価(免疫)を調べたものです。追加接種1か月後には、98~100%のお子さんで発症防御レベル以上の免疫がついたことがわかりました。
(佐々木ら、小児科臨床2015より)
また、下記は0歳時に四種混合を3回接種する英国での研究の報告です。0歳時に四種混合ワクチンを接種し終えたお子さんが、3歳半から5歳に追加接種した時に有効な免疫がどのくらいの期間持続するか調べたものです。ポリオウイルスには1型から3型までの3種類がありますが、どの型についても9年間は発症防御レベル以上の免疫が残ることが示され、追加接種により長期的に効果が持続することがわかっています。

(M.Voysey, et al. Vacine 2016より)
四種混合、三種混合、不活化/生ポリオワクチンは接種スケジュールの変遷もあり、お子様が十分な予防接種を受けたかどうかについて不安をお持ちのご家族も多いかと存じます。
ワクチンの接種スケジュールやご不明点は小児科外来やお電話でお気軽にご相談下さい。
なお、接種年齢の上限がないため、小学校入学後も三種混合や不活化ポリオワクチンの接種が可能です。また、二種混合を三種混合に代えて接種することは可能ですが、自費となりますのでご留意ください。
ご予約はweb予約からも可能です。