小学校入学前に接種が推奨されるワクチン~年長さんになったら~
小学校入学して集団生活が本格化する前にMRワクチンとおたふくかぜワクチンをもう一度接種し抗体価を上げておくとが非常に効果的です。これにより、仮に感染した場合でも非常に軽い症状で済むことが分かっています。
さらに、日本小児科学会では、学童期の百日咳とポリオの予防を目的として、三種混合ワクチン(百日咳ワクチンを含む)と不活化ポリオワクチンの接種を勧めています。
いずれのワクチンも、四種混合ワクチンとして接種が完了していることが多いですが、小学校入学前には抗体価が低下していることがわかってきました。
具体的な報告として、百日咳の発症を防ぐための抗体価の保有率は生後6~11か月では93%に達していましたが、5歳ごろになると20%台に低下していました1)。
また、ポリオに関しても【図1】に示した「年齢/年齢群別のポリオ抗体保有状況, 2021年」の通り、6~7歳頃に抗体価が下がることがわかってきました。
ポリオは2022年に米国ニューヨーク州で患者が確認され、2021年から2022年にイスラエルと英国で検出されたポリオウイルスとの関連が示唆されています。新型コロナウイルス蔓延予防のため制限されていた海外との往来が再開し、今後は日本にもポリオウイルスが流入する可能性が高まっています。抗体価が低下する時期に追加接種を行うことは有効な予防法となります。
なお、不活化ポリオワクチンを導入している先進国では5回接種するのが標準的となっています。
これらのワクチンに関する接種スケジュールやご不明点は小児科外来やお電話でお気軽にご相談下さい。ご予約はweb予約からも可能です。https://medicalpass.jp/departments/5120
【図1】

(国立感染症研究所HPより)